【ライター:MIYABI】
腕立て伏せダイエットは、気軽に始められるダイエット法です。
そのため自宅でキレイに痩せた自分を思い浮かべながら、腕立て伏せをしている方も少なくありません。
ところがそんな腕立て伏せの実践中には、筋肉痛に襲われることも多々あります。
そうなると、
「腕立て伏せで本当に痩せるの?」
「筋肉痛になるだけでは?」
という疑問を抱くことになりますね。
そこで今回は、そんな腕立て伏せダイエットへの疑問について解説します。
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腕立て伏せ(プッシュアップ)で痩せる?
腕立て伏せは、主に胸、背中などの筋肉を使うトレーニングで、上半身ダイエットとして非常に効果的です。
しかし、腕立て伏せを行ったときの感覚を思い出してみましょう。
実際には下半身の筋肉も使っていますよね。
ここでもうお気づきかと思います。
多くの方に上半身ダイエットと知られる腕立て伏せは、実は体全体の痩せる効果が期待できるトレーニングなのです。
その理由には2つあります。
・筋肉の量を増やすことが期待できる
・体幹を鍛えることが期待できる
さて、この2つの理由が、痩せることとどのようにつながるのでしょう。
次で詳しく見てみましょうね。
筋肉の量を増やすと痩せる理由
ダイエットで大切なことは、基礎代謝をアップさせて脂肪燃焼効果を期待することです。
そのためには筋肉を増やすことが必要です。
なぜなら基礎代謝は、筋肉に使うエネルギーが他の部位に比べて多いためです。
そもそも基礎代謝はエネルギーを消費しながら行われる生命活動なのですが、筋肉はこの中でも消費エネルギーの率が22%と一番高い部位です。
よく代謝をアップさせるためには筋肉が必要だと言われる主な理由は、基礎代謝の消費エネルギー率のためなのですね。
さらに筋肉を増加させることは、血糖値の上昇やインスリンの分泌量を抑制させるということが期待できます。
血糖値は、体内にエネルギーとして取り込まれたブドウ糖が過剰な量となるため上がります。
血糖値が上がればその上昇を抑えるため、インスリンの分泌量が増えます。
ところがインスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれ、エネルギーとして使われなかったブドウ糖を脂肪細胞に溜め込む働きもします。
そうすると太りますね。
そのためブドウ糖が体内であふれることを抑えたいのですが、通常ブドウ糖は筋肉にエネルギーとして取り込まれます。
ということは、十分な筋肉量があれば良いわけです。
・基礎代謝量のアップ
・インスリンの分泌量の抑制
つまり筋肉に負荷をかけて量を増やすと痩せる理由は、この2つが期待できるためだということが言えます。
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負荷がかかる上半身の筋肉
腕立て伏せでは主に、胸の大きな筋肉である大胸筋に負荷がかかります。
大胸筋はバストの土台になる筋肉でもありますので、負荷がかかることでバストアップ効果が期待できます。
>>女性の大胸筋を鍛えるとバストアップやバストの下垂に効果ある
以前私もバストアップを目指して腕立て伏せをしましたが、それなりの効果があったように感じます。
また、他に肩の大きな筋肉である三角筋、上体を支える上腕二頭筋や上腕三頭筋などもあります。
出典:https://smile-style.net/muscle-7/
特に上腕三頭筋では二の腕がスッキリと引き締まる効果が期待できますので、この筋肉に負荷がかかることは嬉しいですね。
>>妊婦さんの太った二の腕をスリムにする!二の腕ダイエットは効果ある?
負荷がかかる下半身の筋肉
意外に負荷がかかる下半身ですが、主には大腿四頭筋、ハムストリングスが対象となり太ももの引き締めに効果的です。
出典:http://www.dnszone.jp/magazine/2013/1101-203.php
また他にお尻の筋肉にも負荷はかかりますので、ヒップアップ効果も期待できます。
>>【動画あり】ハムストリングを鍛えて美尻や太もも痩せする方法
それに腓腹筋やヒラメ筋などがあり、この部分に負荷がかかるとふくらはぎや足首の引き締め効果が期待できます。
出典:http://www.cramer.co.jp/1706-1/
体幹が鍛えられることも痩せる理由
腕立て伏せは、体を真っ直ぐな状態にキープしてトレーニングを実践しますね。
そのため体幹が鍛えられることになりますので、姿勢の矯正が期待できます。
姿勢の矯正では、これまでの体の歪みで血液やリンパが滞っていたために起こっていたむくみや冷えの改善が期待できます。
それに引き締まった美しい体のラインを作ることが期待できます。
つまり、痩せるということです。
さらに体幹が鍛えられると腹横筋、腹斜筋、腹直筋なども鍛えられ、お腹が引き締まる効果も期待できます。
出典:https://bukiya.net/blog/underabsmenu/
気になるポッコリお腹の解消も、夢ではなくなるかもしれません。
理想的な姿勢は自然なS字カーブを描いた姿勢だと言われますが、このような姿勢は確かに美しさを感じますよね。
出典:https://tipsonwhattowearunderyouroutfit.wordpress.com/
しかも無駄なお肉が体についていない、またはそう見える。
腕立て伏せにより体幹が鍛えられると、このような痩せる効果が期待できるというわけです。
ダイエットのやり方
腕立て伏せダイエットは、文字通り腕立て伏せでダイエット効果を期待するものです。
そのため「ダイエットをスタートさせよう!」と思うタイミングで始めることができますね。
しかし、間違ったやり方で始めてしまうと体を痛めてしまう可能性がありますので、ここでは腕立て伏せのやり方をご紹介します。
腕立て伏せの基本的なやり方
① 両手を肩幅の1.5倍程度開き、両手で三角形を作るように指を内側に向けて床にしっかりと付けます。
② ひじを伸ばし、片脚ずつ後ろに伸ばしつま先を立て、全身をまっすぐにします。
③ 肩甲骨を寄せることを意識して、胸を張った状態をキープします。
④ 息を吸いながらひじをゆっくりと曲げて、全身をまっすぐにしたまま胸を床に近づけていきます。
(このときには脇が開きすぎないように注意しましょう)
⑤ 上体を床に付けずに胸を張り、息を吐きながらひじを伸ばしていきます。
腕立て伏せはお尻が上がり過ぎることや下がり過ぎる状態、胸が反り過ぎることや背中が丸くなる状態などになりやすいです。
腕立て伏せダイエットでは、そうならないように注意しながら基本の動きをゆっくりと確実に行うと、その効果が十分に期待できます。
とはいえ、最初の頃は基本の姿勢はなかなか難しいものですよね。
そのためひざを床に付けた姿勢で腕立て伏せをすることも、一つの方法です。
ちなみに腕立て伏せの動画をご紹介しますので、こちらもぜひ参考にしてくださいね。
ダイエットのタイミングや頻度
腕立て伏せダイエットには、特別なルールはありません。
ただ、目安としては基本の動きを大切にして、体全体への負荷を意識しながら10回程度であればダイエット効果は期待できます。
また、毎日行う必要はありません。
むしろ、筋肉は週に3回程度のトレーニングを継続して行う方が、筋肉量を増やすことに効果的です。
ダイエット中に筋肉痛を感じたら?
トレーニング後に襲ってくる筋肉痛は、「こんなこともうやめよう!」と思わせるほどの痛みですね。
なぜこのような痛みがあるのだろうと思いますが、そのメカニズムについてははっきりとした原因はまだ解明されていないようです。
ただ、これまでは乳酸や筋肉線維の損傷などが原因といわれていましたが、最近では筋線維の結合組織に原因があると言われています。
伸張性運動をくりかえし行うと、結合組織に微細な傷がつく。
すると、傷の修復や死んだ細胞の除去のために免疫細胞が集まってきて、「炎症」がおきる。
その際、免疫細胞が放出する分子が痛みを感じる神経を刺激し、脳に「痛み」が伝わる。これが、筋肉痛である。
※腕立て伏せの場合、ひじをゆっくりと曲げて、全身をまっすぐにしたまま胸を床に近づけていく状態が伸張性運動になります。
このようにして起こる筋肉痛ですから、腕立て伏せダイエットで頑張ると筋肉痛になっても不思議はありません。
そのため、まずは十分なストレッチで筋肉をほぐしたうえで、腕立て伏せをすることが大切です。
それでも筋肉痛は起こる可能性はあります。
その際には無理をせずに、腕立て伏せを休みましょう。
炎症がある場合には冷やし、炎症が治まればマッサージで筋肉をほぐすことが筋肉の回復に効果的です。
そうした後で筋肉が回復すれば、ダイエットを再開することができますよ。
痛みは24時間~48時間続くことが少なくありませんが、その後は筋肉が修復します。
そして、その後のトレーニングでは筋肉が肥大した状態になっていますので、より高い効果が期待できます。
ただし、無理は禁物ですね。
腕立て伏せの出来ない女子は壁立て伏せから
出典:https://fytte.jp/fitness/3124/
「腕立て伏せダイエットのやり方がわかり、いざダイエットスタート!と思ったけど、私腕立て伏せってできなかった…」
このような方は多いのではないでしょうか。
実際腕立て伏せのできない女子は少なくありませんが、それには理由があります。
女子は腕立て伏せが苦手な理由
腕立て伏せをするためにはある程度の筋肉量が必要なのですが、女子の筋肉量と筋力は男子と比べると少ないです。
これは男性ホルモンと女性ホルモンの違いによるものなのですが、これでは腕立て伏せで体を持ち上げるどころではありません。
また腕の力で全身を真っ直ぐな状態にキープすることも難しいです。
このような理由から、多くの女子が腕立て伏せが苦手だと言えるわけですね。
とはいえ、腕立て伏せができなければ腕立て伏せダイエットはできません。
では、どうすればよいのかと言えば、そんな女子のために壁立伏せという方法があります。
腕立て伏せのできない女子のための壁立て伏せのやり方
壁立伏せのやり方は、とてもシンプルです。
① 壁の前から30センチ以上離れて立ち、両足を肩幅に開きます。
② 壁の肩と同じくらいの高さに両腕を付けて、まっすぐに伸ばします。
③ 肩甲骨を寄せることを意識して、胸を張った状態をキープします。
④ 息を吸いながらひじをゆっくりと曲げて、全身をまっすぐにしたまま壁に体を預けるように倒します。
⑤ 足は床から浮かないように、全身はまっすぐにしたままキープします。
⑥ 体を壁に付けずに胸を張り、息を吐きながらひじを伸ばしていきます。
このようなスタートであれば、腕立て伏せのできない女子もダイエットも続けやすそうではないでしょうか。
ちなみにこちらの動画も是非参考にしてくださいね。
腕立て伏せの消費カロリー
「筋肉痛になるだけなの?」
と思っていた腕立て伏せダイエットですが、痩せる効果は期待できそうですね。
そうすると、気になってくるのは消費カロリーではないでしょうか。
腕立て伏せの1回あたり消費カロリーは、0.42Kcalです。
体重は1㎏が7200Kcalなのですが、1㎏減を目指そうと思えば一度に約17143回の腕立て伏せが必要です(笑)
これは基本的に無理ですし、ダイエットで大切な目標設定も立てる気が無くなってしまいそうです。
ただ消費カロリーは、重さによる負荷がかかるため体重も関係します。
そのため今の自分の体重から出る腕立て伏せの消費カロリーがわかれば、ダイエット目標も立てやすくなりそうです。
消費カロリー(体重別)
体重別の消費カロリーは、1.05×運動強度×体重×時間の計算式で出すことができます。
ここではそれぞれの体重の人が、10分間の腕立て伏せをした場合の数字をまとめましたので、参考にしてくださいね。
(体重は5㎏毎に変えています)
体重(kg) | 消費カロリー(Kcal) |
35 | 23 |
40 | 27 |
45 | 30 |
50 | 33 |
55 | 37 |
60 | 40 |
65 | 43 |
70 | 47 |
75 | 50 |
80 | 53 |
このような結果になりますが、例えば体重50キログラムの人の場合、消費カロリーは33 Kcalですね。
この数字は10分間の腕立て伏せをした場合で出していますので、1分間の消費カロリーは3.3 Kcalです。
これを基に1㎏減を目標にした場合、7200Kcal÷3.3 Kcal=2181分間。
つまり体重50キログラムの人が1㎏減を目標にした場合、約36時間の腕立て伏せが必要だという計算になります。
このように時間で考えると回数で目標体重の設定をするよりも、気楽に考えることができそうではありませんか。
とはいえ、1kg減は36時間が必要だということは非常に効率が悪いような気がしますよね。
しかし、腕立て伏せの場合には筋肉を刺激しますので、体を引き締める効果は高く期待できます。
そのため消費カロリーは、あくまでも目安を考えるときの参考にすることをオススメします。
メッツとは何?
ところで消費カロリーの計算には運動強度が必要でしたが、聞き慣れない言葉ですね。
これはメッツといった単位で表されるのですが、ここで少しメッツについて触れてみたいと思います。
メッツとは身体活動の強度を表す単位です。
座って安静にしている状態を1メッツとすると、他の活動や運動のエネルギーがどのくらいの消費量になるかということを表しています。
それぞれの活動に対してのメッツは、厚生労働省による「健康づくりのための運動指針」エクササイズガイドでメッツ表が確認できます。
またメッツ表は国立健康・栄養研究所のホームページ(PDF)でも見ることができます。
他の運動に比べると腕立て伏せは良いの?
運動によるダイエット法を選ぶと気になるのは他の運動ですね。
私もダイエットをするときに自分が選んだ方法はどうなのか、と一度他の方法を確認することで納得して続けることができました。
そこで、ここでは他の主な運動との比較をしてみましょう。
消費カロリーは、体重を50㎏、時間を10分として参考にしてください。
有酸素運動 | 消費カロリー | 無酸素運動 | 消費カロリー |
ウォーキング(ゆっくりの速度) | 約31Kcal | 軽いストレッチ | 約22Kcal |
ウォーキング(速い速度) | 約55Kcal | スクワット | 約44Kcal |
早歩き | 約35Kcal | 腹筋、腕立て伏せ(軽め) | 約33Kcal |
ジョギング | 約61Kcal | 腹筋、腕立て伏せ(強め) | 約70Kcal |
ヨガ | 約20Kcal | ||
ラジオ体操(第一)
ラジオ体操(第二) |
約35Kcal
約39Kcal |
||
エアロビクス
(軽め) |
約44Kcal
|
||
エアロビクス
(強め) |
約61Kcal
|
||
縄跳び | 約103Kcal |
運動には有酸素運動と無酸素運動がありますが、それぞれがダイエットには必要です。
そのためそれぞれの運動を分けて、ご紹介しました。
この表を確認するとカロリーとして考えれば、有酸素運動の方が効果的ですね。
ところが脂肪を燃焼させて体を引き締めるためには、腕立て伏せを含めた無酸素運動が適しています。
それは有酸素運動では体脂肪の減少は期待できますが、筋肉を大きく使用と思えば無酸素運動が適しているからです。
このことから考えると腕立て伏せダイエットは、他の運動に比べるとひけを取りません。
ただ、有酸素運動と組み合わせるとさらに高いダイエット効果が期待できるということが言えます。
まとめ
以上、腕立て伏せダイエットへの疑問についてお伝えしました。
腕立て伏せはこれまで使っていなかった筋肉を刺激します。
そのため、顔が大きく歪んでしまいそうに痛い筋肉痛を経験することにもなりかねませんね…
しかし、腕立て伏せダイエットには筋肉量の増加、姿勢の矯正などダイエット効果が期待できる要素がたっぷりです。
筋肉痛が起こると「いっそのこと他のダイエット法に変えようかな…」なんて思いがちですが、途中で諦めるのはもったいないことですよ。
筋肉痛の後には、じわじわと嬉しい効果が実感できるかもしれません。
是非、継続して実践できるよう腕立て伏せダイエットを頑張ってみましょう!
タグ : 脂肪燃焼