【ライター:豊嶋あい】
「にんにく」と聞くと、「元気が出る」「スタミナアップ」などイメージはありますが、ダイエットのイメージはあまりないのではないでしょうか?
食欲の湧くあの良い香りを想像すると、痩せている人の食べるものではなく、ガッツリ食べたい人向けの食材というイメージすら持っている方もいるでしょう。
そんな「にんにく」ですが、実はダイエットにとても効果的な食べ物なのです。
にんにくダイエットという言葉があるように、痩せたい人は積極的に摂りたい食べ物です。
では、にんにくのどのような特徴がダイエットに効果的なのか、ここで詳しく見ていきましょう!
にんにくダイエットで痩せる理由
にんにくダイエットをすると、どうして痩せるのか、にんにくの成分や特徴などを見ていくと理解できます。
あの強烈な臭いにも、ダイエットに効果的な秘密が隠れているのです。
にんにくのダイエット効果についてご紹介しましょう!
アリシン
にんにくの独特な匂いの原因である「アリシン」。
ただ皮をむいただけでは、それほど臭いはきつくありませんが、切ったり擦ったりすることで、独自の臭い=アリシンが生成されます。
そのメカニズムは、にんにくを傷つけることで「アリナーゼ」という酵素物質が「アリイン」という成分を分解し「アリシン」になります。
アリシンは、通常にんにくが虫などに攻撃を受けたときの防衛反応なのです。
アリシンの効果には、以下のようなものがあります。
- 免疫力アップ
- 疲労回復
- 滋養強壮
- 除菌、抗菌力
- 抗カビ作用
- ビタミンB1の吸収を助ける
- 糖の代謝を上げる
- コレステロール値の上昇を抑制
- 抗酸化作用
- 発汗作用
これらの効果を見ると、確かにダイエットにプラスに作用するのが理解できますよね。
アリシンは強い殺菌作用があるので、生で摂り過ぎると腸内の必要な菌まで殺してしまいます。
その結果、胃腸トラブルを引き起こすことがあるので、食べ過ぎには気を付けなくてはいけません。
スコルニジン
スコルニジン(スコルジン)は硫黄化合物の一種でビタミンB1の働きをアップさせる効果があります。
無臭にんにくに多く含まれており、他にも以下のような効果があります。
- 代謝アップ
- 脂肪燃焼率アップ
- 血行促進
- 末梢血管拡張作用(冷え性対策)
- 心筋梗塞・脳梗塞予防
- 高血圧・動脈硬化予防
- コレステロール値を低下
こちらも、効果を見るとダイエットに良い影響を与えてくれるのが分かります。
スコルニジンは、にんにくを丸焼きにして食べることで、多く摂取することができます。
アホエン
にんにく(アリシン)を油で調理すると「アホエン」という物質が生成されます。
アホエンは聞きなれない名称ですが、サプリにもなっていて私たちの体に良い影響を与えてくれる成分です。
アホエンには、以下のような効果が確認されています。
- 抗ガン効果
- 抗酸化作用
- 動脈硬化予防
- 疲労回復
こちらの成分はダイエットにも効果的ですが、アンチエイジングや健康にプラスの影響をもたらしてくれます。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える効果があるので、あなたを太りにくい体にしてくれます。
にんにくには、このビタミンB1の働きを助ける「アリシン」や「スコルジニン」という成分も含まれているので、上記の効果はさらにアップします。
またビタミンB1がアリシンと結合して「アリチアミン」になると、さらに吸収力がアップします。
熱に弱い特徴があるので、加熱調理せず食べる方がよりビタミンB1を多く摂取できます。
水溶性食物繊維
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があり、にんにくは水溶性食物繊維が多い食品の代表です。
水溶性食物繊維には、体内の有害物質(食品添加物、コレステロールなど)を体外へ排出する働きがあります。
また、腸内環境を良くする効果もあるので、ダイエット向きの成分です。
低カロリー
にんにくのカロリーは、中くらいの大きさ1片で10kcal程度です。
また他の材料の味付けや風味付けとして使うと、無駄な調味料を使う必要がなくなり、結果的に低カロリーの食事ができます。
にんにくダイエットの効果的な方法
にんにくダイエットのやり方は、食生活ににんにくを取り入れるだけです。
そのダイエットをさらに効果的にするために、料理法で変わる効果の違いを知っておきましょう。
料理ににんにくを食べる
にんにくを料理に取り入れるとき、調理の仕方で効果が変わることを知っておきましょう。
調理法と、得られる効果の一覧は以下の通りです。
調理法 | 得られる効果 |
丸ごと加熱する | スコルニジンの働きで新陳代謝をアップさせる。疲労回復や冷え性にも効果的。 |
みじん切り・すりおろす | アリシンの効果でビタミンB1を活性化。糖の代謝を上げる。 |
他の料理と炒める・ドレッシングにする | 油に溶かすとアホエンが発生し、抗酸化作用・動脈硬化予防などの効果がある。 |
しかし、現時点で確実な答えはありませんし、加熱後も他の効果が期待できることが分かっています。
ダイエットには継続が必要なので、あなたが食べやすい方法で食事に取り入れるといいでしょう。
また、にんにくを食べるときは、1日の摂取量の上限も知っておきましょう。
- 生のにんにく(刻む、すりおろすなど):1日に1片
- 加熱調理したにんにく(炒めるなど):1日に2~3片
どんなにダイエットに良いからといって、食べ過ぎると胃腸トラブルになる可能性があります。
適度に美味しく食べて、ダイエットに活かしてください!
各にんにくの気になるダイエット効果
次に、にんにくの料理法や加工の違いによって、ダイエット効果はどのように変わるのか見てみましょう。
黒にんにく
黒にんにくは、通常のにんにくを一定の決まった環境下で3~4週間置いて熟成させることでできます。
熟成させると糖度が増し、通常のにんにくのような臭みはなくなります。
にんにく独特の胃への刺激も少ないので、にんにくが苦手な人でも食べられるのが大きなメリットです。
黒にんにくは、サプリとして多く出回っていますが、自宅で熟成させて作ることも可能!
アミノ酸量がアップし、脂肪燃焼効果も通常のにんにくと比べるとアップします。
ダイエット目的でにんにくを選ぶときは、黒にんにくがおすすめです。
卵黄にんにく
卵黄にんにくは、にんにくと卵黄を混ぜ合わせたもので、サプリとして広く出回っています。
にんにくの「アリシン」は卵黄の「レシチン」と一緒に摂ることで効果がアップします。
レシチンは、善玉コレステロールを増やす働きがあり、血液をサラサラにしてくれます。
また、悪玉コレステロールを体外に排出する働きもあるので、にんにくの効果と相まって内臓脂肪がたまりにくい体になります。
卵黄にんにくは、家庭でも作れます。
作り方は以下の通りです。
2. 1をフライパンに移し、ごま油を加えて8時間ほど煮詰めます。
3. 水分がなくなり茶色く変色したら、火を止めて冷まします。
4. 冷めたら親指大の大きさにちぎって、8~10時間寝かせます。
5. ちぎった状態の5を棒状に伸ばし、再び固くなるまで乾燥させる(6~7時間程度)。
6. 5を小さくカットしたら完成。
自家製を楽しみながら作ってみるのもいいですが、かなり時間がかかるので、忙しい人はサプリを上手く活用した方が賢明でしょう。
揚げにんにく
ホクホクとした揚げにんにくは、いくつでも食べられそうなくらい美味しいですよね。
最近では、アヒージョも人気でオリーブオイルに浸かったにんにくの味は格別です。
油と一緒に調理するとアホエンが発生するので、免疫力アップや疲労回復に効果があります。
手軽に作れて美味しく食べやすいのですが、食べ過ぎてしまうのが欠点です。
どんなに美味しくても、1日2~3片までにしておきましょう。
にんにくチューブ
にんにくチューブを使うメリットは手軽さです。
にんにくを手で触って調理する必要がないので、ゴミも出ませんし手が臭くなることもありません。
ただ、にんにくチューブの中身は100%にんにくではなく、デンプンや食品添加物が含まれているものがほとんどです。
健康を考えるなら、チューブではなく生のにんにくを使った方がいいでしょう。
しかし、にんにくの成分であるアリシンは含まれているので、ダイエット効果がまったくないわけではありません。
その日の予定や、気分に合わせて上手く使い分けるといいですね。
おすすめレシピ
にんにくダイエットを取り入れるなら、おすすめのレシピもぜひ参考にしてください。
簡単で美味しいものを厳選しました。
ビールに合う半分にんにくのホイル焼き
使う材料が少ないので、にんにくがあればすぐにでもできるのが嬉しいレシピ。
オリーブオイルはごま油に変えてもいいようなので、私はごま油で作りましたが和風だしとピッタリ合って、かなり美味しく仕上がりました。
子供がパクパク食べてしまうので、その点は注意が必要です。
食べ過ぎると胃腸トラブルが起きることがあるので…。
簡単なのに、ホクホクの美味しいにんにくが食べられるので「最近疲れてるな~」と感じているならオススメです。
作り方:https://cookpad.com/recipe/5231678
ガーリックシュリンプ
ハワイ料理としても有名なガーリックシュリンプは、美味しくにんにくを食べられるお料理のひとつです。
高たんぱくで炭水化物が少ないので、糖質制限中の人も安心して食べられます。
エビとにんにくの香りが最高で、作っているとたまらなく幸せな気持ちになります。
おつまみにも良いですし、子供にも人気のメニューです。
作り方:https://cookpad.com/recipe/5247619
鶏むね肉※ガーリックバターポン酢
ガーリックとバターの香りがお肉を美味しくしてくれるので、味付けも薄くてOK!
ポン酢がさっぱりさせてくれるので、どれだけでも食べられそうな美味しさです。
最後に調味料を加えてからは、あまり火を通しすぎないようにした方が、にんにくのダイエット効果が高くなります。
ただ、本当に美味しいので食べ過ぎにはじゅうぶん気を付けてくださいね。
作り方:https://cookpad.com/recipe/5247448
一番楽なのはサプリメントでにんにくを摂取する
にんにくを日常に取り入れることは、ダイエットや美容、健康に良いのは分かりましたが、常に人と接している私たちには継続させるのが難しい場合もあります。
また、にんにくを食べると胃が痛くなりやすい人や、そもそもにんにくが嫌いな人にとっては苦痛なダイエットになります。
逆に、にんにくが大好きだと、食欲増加につながりダイエットにならないという人もいるでしょう。
サプリだと臭いがないので、会社で飲むこともできますし、お料理に毎日にんにくを入れる必要もありません。
休日の前には、にんにく料理を楽しみ平日はサプリを飲むなど、生活に合ったにんにくの取り方を実践して、ダイエットやアンチエイジングにつなげてください。
私のおススメするにんにくサプリはやわたの熟成にんにく卵黄か伝統にんにく卵黄ですね!
>>生酵素サプリランキング?40代50代におすすめする生酵素サプリは?
にんにくダイエットにデメリットはないの?
良いことばかりのような「にんにくダイエット」ですが、デメリットはないのでしょうか?
これからにんにくを取り入れる前に、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
先に理解できていれば、デメリットを回避できますし、よりダイエット効果を高めることができます。
胃を痛める
強い殺菌効果のあるにんにくは、食べ過ぎると胃に負担をかけます。
それだけ効果があるということなのですが、体を傷めてしまっては本末転倒です。
にんにくダイエットを始めるときは、半片や1片からスタートして、体の状態を見ながら量を増やしていきましょう。
どうしても胃に負担がかかるようなら、サプリなども検討してください。
食欲増進
にんにくの香りで、食欲がわく人は多いでしょう。
料理に使うと、風味や味を良くしてくれるので、薄味でもじゅうぶん美味しくなるのですが、美味しすぎてたくさん食べてしまうのはダイエットという観点で見るとデメリットになります。
どうしても食べ過ぎる場合は、まず野菜をたくさん食べるようにしましょう。
加えて、料理と一緒にレタスやキャベツなども食べるようにすると、食べ過ぎを防ぐことができます。
あなたに合った方法を見つけ、食べ過ぎない工夫をしてみましょう!
高糖質
にんにくの糖質は、1片約2.2g程度です。
にんにくは、高糖質と言われる食材なので、糖質制限をしている人は避ける食材です。
しかしスーパー糖質制限でも、1食の糖質摂取量を10~20g摂取していいので、1片食べたくらいでは、それほど問題にはなりません。
食べ過ぎないようにすれば、このデメリットは回避できます。
>>脂肪燃焼サプリの口コミ多数!おススメのダイエットサプリ6選
>>【体験談】私はシボヘールを飲んで8.0kg痩せた!痩せた人痩せなかった人の口コミ
嫌なニオイ
にんにくは好きなのに、なかなか食べられないのは、あの独特なニオイが原因です。
特に女性は、にんにくダイエットに興味があっても、口臭や体臭を心配して積極的に食べられません。
後程、にんにくの匂いを消す方法もご紹介しますが、どうしてもニオイが気になってしまうのがデメリットになります。
嫌なにんにくの悪臭(口臭)を消す方法
にんにくダイエットの大きなネックになるのが、にんにく独特の臭いです。
入念に歯磨きをすれば、口臭は2~3時間で消えますが、体から出てくる「体臭」はそう簡単には消えません。
にんにくの臭いを消す方法が分れば、ダイエットもスムーズに進みます。
にんにくの臭いを解消する方法をいくつかご紹介します。
牛乳を飲む
牛乳のタンパク質は、にんにくから発生するアリシンを包み込み、臭いを抑制する効果があります。
牛乳の中でも、特にタンパク質の多い低脂肪乳を選ぶとより効果を実感できます。
牛乳は、にんにくを食べる前に飲むようにしましょう。
緑茶を飲む
緑茶に含まれるカテキンも、にんにくの臭いを抑制する働きがあります。
カテキンの含有量が、緑茶の5倍以上と言われる青汁も効果的なので、にんにくを食べる前に飲むようにしてください。
急な外食でにんにく料理を食べる時は、ペットボトルの緑茶でも効果があるので試してみましょう!
>>痩せるダイエットお茶おすすめ10選!ダイエットお茶の効果や口コミあり
りんごを食べる
リンゴに含まれるポリフェノールやカテキンも、にんにくの臭いを緩和してくれます。
リンゴの皮の方がポリフェノールの含有量は多いので、臭いを消したい場合は剥かずにそのまま食べましょう。
りんごは、にんにくの他にも魚などの後口の悪さや口臭を抑える効果もあるので、クセの強い食べ物の後には、デザートとして食べてみてください。
水を飲んで半身浴
体内に残ったにんにく成分は、血液とともに体中を巡り、最長で48時間ほど留まると言われています。
にんにくを食べた翌日まで体臭が気になるときは、水を多く飲んで半身浴やサウナで汗をかきましょう。
水は一度に大量に飲むより、にんにく料理を食べた後から、普段より多めに飲むようにすると、利尿作用も手伝って臭い成分が体外に排出されやすくなります。
まとめ
にんにくは、上手く日常に取り入れるとダイエットに効果的です。
料理を美味しくしてくれる上に、ダイエットや健康面でもいい影響を与えてくれるにんにくを、ぜひお料理に取り入れてみてください。
毎日の料理に取り入れるのが難しい場合は、手軽にサプリなどで摂るようにすると、体質が変わるのを実感できるでしょう。
口から入れたものが、数日~数年後のあなたを作ります。
食べないダイエットで気持ちや体を弱らせず、体に良いものを食べて効率的で満足度の大きなダイエットを継続させましょう!