【ライター:折山ヒロ】
低カロリーでポリフェノールやミネラル、食物繊維なども多い海藻。
ダイエット中には積極的に摂りたい食品です。
もずくやメカブなどもおいしいですよね。
今回ご紹介する海藻の仲間の「アカモク」。
余りなじみのない名前ですが、このアカモクに多く含まれている「フコキサンチン」という成分が大学の研究により、実はスゴイ効能がある海藻だと言うことがわかったんです!
今回はこの「アカモク」のスゴさをお伝えしたいと思います。
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フコキサンチンは脂肪燃焼を促進する!?
アカモクに多く含まれているフコキサンチンという成分。
このフコキサンチンが北海道大学の研究により、脂肪燃焼を促進する効果があることが分かったのです。
ではフコキサンチンとはどんな物なのか、どういった効果なのか見ていきましょう。
フコキサンチンは何?
フコキサンチンとは、海藻などに含まれているカロテノイド(天然色素)の一種で、茶色からオリーブ色をしています。
カロテノイドの仲間には、ニンジンやカボチャに含まれているカロテン、トマトなどに含まれているリコピンなどがあり、他にはルテインやアスタキチンサンなどもあり、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
カロテノイドは主に赤、オレンジ、黄色の物が多く、抗酸化作用があります。
フコキサンチンは抗腫瘍作用などの研究も多くの大学や研究機関などで進められており、今後も期待されている成分です。
様々な研究の中で北海道大学が進めている調査により…
フコキサンチンは脂肪の燃焼を促進する効果があることが分かりました。
一体どのような働き方なのでしょうか。
褐色脂肪細胞の働きをする白色脂肪細胞
脂肪細胞には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の2種類があります。
この2種類の脂肪細胞は、同じ脂肪にもかかわらず全く違う働きを持っています。
白色脂肪細胞は余分な脂肪を蓄えておく、いわば脂肪の貯蔵庫なのに対し、褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼し熱を生み出しています。
褐色脂肪細胞は鉄分を含んでいて、茶色なんだそうです。
褐色脂肪細胞は生まれたばかりの赤ちゃんや冬眠する動物に特に多く見られ、赤ちゃんや動物が身体を震わせなくても身体の熱を生み出す事が主な機能となっています。
冬眠中の動物が動かなくても生命を維持できるのは、この機能が働いているためなのです。
ノルアドレナリンというホルモンが褐色脂肪細胞にある受容体と結合すると、UCP1(サーモニゲン:熱産生たんぱく質) というたんぱく質が作られ、ミトコンドリアで熱が作り出されます。
この働きが脂肪を燃焼していると言うことなのですが、なんとフコキサンチンを摂ると脂肪の蓄え場所だった白色脂肪細胞にもUCP1(サーモニゲン)を作り出すのを促進してくれると言うことが分かったんです!
褐色脂肪細胞にしかなかった脂肪燃焼の作用が、白色脂肪細胞でも出来るようになってしまうと言う夢のような発見です。
この褐色脂肪細胞は年齢とともに数も質も落ちてしまいます。
低下した褐色脂肪細胞の機能を白色脂肪細胞で補えるのなら、年齢とともに下がっていく脂肪燃焼を促進できます。
フコキサンチンの摂取量は?
では、フコキサンチンをどのくらい摂るとよいのでしょうか。
海藻は食べすぎはダメ!その理由は?
海藻にはヨウ素(ヨード)が含まれています。
ヨウ素は私たちにとって欠かせないミネラルの1つですが、摂り過ぎると甲状腺ガンの原因となるという報告があるのです。
研究では海藻を食べる頻度が上がるにつれ、甲状腺ガンになる確率も増しました。
海藻を食べるのが週2日以下の人と毎日食べる人を比較したところ、甲状腺ガンの1種である乳頭ガンに限ると、毎日食べる人が約1.7倍の確率でがんを患ってしまったことが分かったのです。
特に閉経した女性が海藻を多く摂ると甲状腺ガンになる確率が高いことも分かりました。
なぜ閉経した女性だと多くなるのかはまだ研究中ですが、甲状腺ガンはエストロゲンの作用も指摘されていて、ヨウ素はエストロゲンの作用を弱める効果も報告されています。
閉経前の女性はエストロゲンが多く、ヨウ素が甲状腺ガンの原因にもなるエストロゲンを弱めることによって、ヨウ素の発がんリスクと打ち消しあったのではないかと見られています。
閉経後の女性はエストロゲンが低いため、ヨウ素の発がんリスクが大きく作用したのではないかという仮説です。
しかしヨウ素の欠乏でも逆に甲状腺ガンの1種である濾胞ガンの原因にもなりますので、適度に食べると言うことが大切です。
妊婦は食べると良くない?
妊婦がヨウ素の摂取量が少ないとお腹の中の赤ちゃんがクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)という甲状腺の機能障害を発症してしまう危険があるため、海藻などを食べてヨウ素を摂ることはとても大切です。
しかし逆に妊娠中や授乳中にヨウ素を摂り過ぎても、赤ちゃんの甲状腺機能低下の危険性も指摘されていて、過剰摂取には注意が必要です。
厚生労働省は妊娠中のヨウ素摂取量を240μgと推奨していて、耐容上限量を2,000μg(2mg)としています。
フコキサンチンのダイエット以外の効果
フコキサンチンを含む海藻にはダイエット以外にもたくさんの効果があります。
老化予防
フコキサンチンには抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素を除去してくれるほか、しわ抑制効果の研究が京都大学で行われています。
生活習慣病予防
フコキサンチンが内臓脂肪を減らしてくれるので、メタボリックシンドロームを予防してくれます。
メタボはあらゆる生活習慣病の元ですから、糖尿病や心筋梗塞などを遠ざけてくれます。
また、含まれている食物繊維が胃腸の中でふくらんで食べ過ぎを予防してくれ、ゆっくりと消化されていくので空腹感も紛らわせる効果があります。
さらに食物繊維は余分な脂肪やコレステロールをからめ取って排出してくれますので、生活習慣病の元凶である肥満を予防できます。
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むくみ軽減
現代の食生活は塩分を多く摂取しがちで、ナトリウムを多く摂ると水分を体内に蓄えてしまいむくみが起こります。
海藻にはカリウムがたっぷりと含まれているので、ナトリウムを体外に排出させてむくみを軽減する効果があります。
便秘対策
食物繊維が便のかさを増し、善玉菌を増やして腸内環境も整えるので便通を促してくれます。
人気!スーパーフード「アカモク」
フコキサンチンは昆布やワカメなどにも含まれていますが、アカモクにはワカメの倍のフコキサンチンが含まれています。
「たけしの家庭の医学」でもこのアカモクがスーパーフードとして紹介されており、内臓脂肪を減らすアカモクの効果によって高血圧、高血糖、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病などの危険性を下げられる可能性があると放送されました。
また、「肥満体型のマウスの内臓脂肪に、アカモクに含まれているフコキサンチンを4週間投与したところ、内臓脂肪が半分以下に減少した」
さらに
ロシア自然科学アカデミーの研究では、平均体重90kg以上のロシア人女性55人に、アカモクに含まれているフコキサンチンを16週間摂取してもらったところ、体重が平均で約7kg、内臓脂肪を含む脂肪の量が約11%低下した
とも報告されています。
最近ではアカモクの効果が注目されてきていて、首都圏のスーパーなどにも出荷されています。
また調べてみたところ、amazonなどのネットショッピングでも購入できるようです。
ハリウッドセレブも愛用していると話題のスーパーフード、チアシード。
「チアシード入り」と明記されているヨーグルトや食品も増えてきましたよね。
このチアシード、米国FDAで栄養補助食品として認められている上、日本スーパーフード協会にも認定されている栄養豊富なスーパーフード。
ダイエットにも人気あります…
アカモクの食べ方
アカモクは3月~5月が旬となっていて、この時期以外は取れないそうです。
そのため年間を通して冷凍保存しておいた物を加工して出荷されています。
アカモクを湯がいて細かく刻むととても強い粘りけが出てきます。
細かく刻むことによって栄養の吸収もよくなります。
刻んでそのまま醤油やぽん酢で食べるのはもちろん、刻んだアカモクをうどんやそばにのせればとろろうどんやとろろそばとして、まためんつゆや醤油などと混ぜて温かいご飯にのせて食べたり、おみそ汁や卵焼きに混ぜたりしても良いようです。
海藻(褐藻類)に含有されるフコイダンのメリット
フコイダンとは水溶性食物繊維の1種で、ワカメや昆布、もずくなどにも含まれていますが、アカモクは群を抜いて含有量がトップクラスなんです。
血糖値が急上昇してしまうと余ったブドウ糖が中性脂肪に変えられて脂肪として蓄えられてしまうので、フコイダンは脂肪の蓄積を防いでくれるのです。
また余分な脂肪や糖、コレステロールをからめ取って排出してくれ、腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整えてくれます。
有害物質もからめ取って便と一緒に排出してくれるので、便秘が気になる人にオススメです。
フコイダンもフコキサンチンと同様に様々な研究が進んでおり、今後も期待されている成分です。
まとめ
白色脂肪細胞の役割を変えてしまうスゴイ海藻「アカモク」。
多数の研究機関も様々な調査を進めているので、これからもどんどん効能が広がる事でしょう。
最近では健康ブームに乗って手に入りやすくなっていますので、是非フコキサンチンパワーを取り入れてみてください!