【ライター:ニーナ】
シナモンでダイエットをしてみましょうと言われたら、驚く人が多いかもしれませんね。
シナモンにはダイエット・美容・健康に役立つ嬉しい効能がたくさんあるんですよ。
アップルパイなどの焼き菓子や、カプチーノなどの飲み物に甘い香りを添えるシナモン。
実は世界最古のスパイスであり、漢方においては「桂皮」と呼ばれ生薬として扱われます。
私の勉強しているハーブやアロマの分野でも、シナモンには高い効能があるとされています。
なのに世の中ではただの香り付けだと思われているなんて、とってももったいなく感じるのです。
シナモンの魅力をたくさんの人に知ってもらうため…
・シナモンを食べて得られる効果
・上手な取り入れ方
・シナモンを摂取する際に注意するべきこと
…などをわかりやすくまとめました。
シナモンの香りが好きな人もそうでない人も、シナモンに秘められた力を味方につけてキレイを目指しましょう!
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シナモンとニッキの違いとは
数ヶ月前、私が評判のお店のシナモンロールを家族へのお土産として持って行くと、祖母が「ニッキの香りだ」と懐かしそうにしていたことがありました。
碓かにとても近いものではあるのですが、厳密には区別があります。
まずはシナモンとニッキの違いを解説いたしましょう。
木の種類
シナモンもニッキも共にニッケイ(肉桂)というクスノキ科の樹木が原料となります。
出典:https://blog.goo.ne.jp/oyuse13/e/09c88a52728e45c97d09b25a5fc0ec02
しかしシナモンに使われるのはスリランカ産のセイロンニッケイ、ニッキに使われるのは日本産のシナニッケイです。
原料となる木は仲間同士ですが種類が違い、産地も違うということですね。
含まれている成分などにも多少の差があります。
特にオイゲノールという成分はセイロンニッケイにしか含まれておらず、シナモン独特の甘く優しい香りの元となっています。
使われる部分
次に注目するのは、原料の木からどの部分を使って作られているかです。
なぜ同じ部分ではないのかというと、シナニッケイは幹の部分をめくっても香りがあまりせず、根を使った方が香りが強いからだとか。
こういった部分にもセイロンニッケイとの違いがあるのですね。
香りや味
オイゲノールを含むシナモンの方が甘く柔らかい香り立ちであることは先ほど触れましたね。
ニッキの方はというと、ツンと刺激があり少し薬っぽさを感じる香りです。
実際に口に含んだ味の印象は、シナモンはわずかに苦味があり、ニッキはそれに加えハッカに似た刺激のある辛さがあるのが特徴です。
そして香りの似たシナモンも同じ味だと思って、ずっと食わず嫌いで育ってきました。
しかし大人になってシナモンが使われた美味しいアップルパイに出会い、シナモンが大好きになりました。
私のようににニッキが苦手でシナモンは好きな人、またはその逆の人というのは意外といるようです。
似ているようでも、比べればはっきり違いが感じられるということですね。
ニッキは味に癖が強いうえ、非常に高価で手に入りにくいものです。
ダイエットで日常的に摂取するのなら、シナモンの方が使いやすいでしょう。
おまけ・カシアとは
あまり耳慣れないかもしれませんが、カシアというスパイスもシナモンやニッキの仲間です。
カシアはトンキンニッケイの樹皮部分を乾燥させたもの。
木の種類が違いますが、使う部分がシナモンと同じですね。
香りも味もシナモンに近いのですが、より香りが強く派手な印象です。
実は日本で「シナモン」として売られているものの多くが、実際はこの「カシア」なのです。
本来シナモンと呼ばれるのは、スリランカ産のセイロンニッケイを使ったものだけに限定されるため希少です。
価格もシナモンの方が高価で、カシアの2~4倍となります。
そこでシナモンと似た香りで安価なカシアが、シナモンの代わりに販売されていることが多いというわけです。
シナモンダイエットにおいては、シナモンとカシアを区別しなくても大きな問題はありません。
どうしても本物のシナモンの香りが好きであったり、成分の違いでセイロンニッケイを選びたいという場合には「スリランカ産」と書かれた原料のものを探しましょう。
シナモンで痩せれるの?
漢方では生薬として扱われていることからもわかる通り、シナモンには古来より薬として重宝されてきた側面があります。
もちろんシナモン=痩せる薬というわけではありません。
しかし太る原因となってしまうような身体の不調が解消されれば、結果として痩せることに繋がりますよね。
漢方においては薬と体質との相性がとても重視されます。
効果が出るかどうかは、シナモンの効能とあなたの不調が合うかどうかによって変わるということです。
西洋薬に比べて副作用が少ない分、生薬はとりあえず試してみて効果がなければ止めるというのが気軽にできます。
まずは1ヶ月程度続けてみましょう。
シナモンを食べるメリット
ではシナモンを摂取することで具体的にどんな効果があるのか、ひとつずつ解説いたしますね。
ダイエット効果だけでなく、美容や健康への効果も合わせてご紹介します。
脂肪細胞を小さくする
人間の脂肪細胞の数は思春期頃までに決まります。
それ以降は増えないはずなのになぜ太ってしまうのかというと、脂肪細胞が中性脂肪を溜め込むと大きく膨らむからです。
脂肪細胞は増えませんが、減らすこともできません。
しかし溜め込んだ中性脂肪がなくなれば、脂肪細胞が小さくなるので痩せることができます。
シナモンに含まれる精油成分シナムアルデヒドは脂肪細胞に直接働きかけ、溜め込んだ中性脂肪をエネルギーとして発散するよう刺激することが明らかになっています。
代謝機能が上がるので少しずつ痩せやすい体質になることが期待できますが、早く脂肪を落としたいのならばシナモン摂取と並行して運動を取り入れるのがおすすめです。
シナモンのおかげで脂肪が燃えやすくなっているので、より運動の効果が出やすいでしょう。
甘い食べ物に対する欲求を減らす
シナモンの甘い香りには、糖分を摂っていなくても甘いものを食べた時のような満足感をもたらす効果があります。
特に普段はコーヒーや紅茶などに砂糖を入れて飲むという人や、トーストにはジャムをたっぷり塗って食べてしまうという人は、砂糖をシナモンに置き換えることで糖分によるカロリーをカットすることができますよ。
血流改善
シナモンには毛細血管を保護し、血管を拡張する効果があります。
これにより血行が促進され身体を温めるので、女性に多い悩みである冷え性の改善へと繋がります。
冷えから脂肪を溜め込む体質になってしまっている女性はとても多いですから、血流が改善されることはダイエットにおいて重要な要素です。
身体を温めるといえば有名なのはトウガラシやショウガですが、実際には摂取した直後の一時的な効果しかありません。
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それに比べてシナモンはじんわりと長く身体を温めるため、慢性的な冷え性にはシナモンの方が効果があるとされています。
私は冬だけでなく夏場のクーラーによる冷えにも悩まされていましたから、今では年中シナモンを摂るようにしているんですよ。
むくみ予防
シナモンには老廃物の排出を促すデトックス作用があり、むくみの予防・改善にも効果が期待できます。
まずは先ほどの血流改善の作用により、むくみの原因である水分や老廃物が滞らずスムーズに流れていくようになります。
さらにシナモンには利尿作用もあるため、老廃物を体外に排出するサポートもしてくれるのです。
現在むくみに悩んでいる人は普段からシナモンを摂取するようにしましょう。
むくみが解消されるだけでなく、そもそもむくみにくい体質へと変わっていけますよ!
老化の抑制
更に注目したいのは、シナモンの持つアンチエイジング効果です。
血流が良くなり老廃物が排出されるということは、新陳代謝が活発化するこということでもあります。
新陳代謝は古い細胞が新しい細胞へと入れ替わることですから、そのサイクルが活発になれば肌や髪が若々しくなりシミやシワの予防にもなるのです。
また、頭皮の健康にも血流が関係していると言われています。
シナモンを摂れば抜け毛や白髪の予防にもなるので、いつまでも若くいたい女性にとっては見逃せませんね。
シナモンダイエットのやり方
気になるシナモンダイエットのやり方ですが、とっても簡単です!
毎日の食事や飲み物にシナモンをプラスして摂取してください。
スティックのシナモンよりも、細かく挽いてパウダー状になっているものの方が手軽で使いやすいでしょう。
スパイス缶や瓶に入ったものが、スーパーなどで簡単に手に入ります。
最初はカレーなどに足して
シナモンは甘い香りなので、最初は料理に使うと変な感じがするかもしれません。
慣れるまではカレーにスパイスの一つとして入れてみるなど、もともと香りの強いものと組み合わせると食べやすいでしょう。
香りに慣れてきたら、色々な料理に合わせてみてください。
洋食にしか合わないかと思いきや、ギョウザのタネやチャーハンに混ぜてみると高級感のある味わいになったり、揚げ物との相性も良かったりといった意外さに驚きます。
フルーツ+シナモンで味も栄養も良し
ダイエット中はお菓子を我慢する代わりに、フルーツを食べるという人も多いのではないでしょうか。
自然な甘さと一緒にビタミンや食物繊維などの栄養が摂れるため、お菓子よりも健康的ですね。
リンゴやバナナなどカリウムを含む果物はシナモンのデトックス効果をより高めてくれるため、味だけでなく栄養面でも相性バッチリです。
ひと手間かけて、リンゴとバナナにシナモンパウダーを振りかけたものをオーブンで少し焼くのが私のおすすめ!
温かくすることで果物の持つ甘さがより感じられ、冷えたものを食べるより胃腸にも優しくなります。
シナモンの香りもふわっと広がって、とっても幸せな気持ちになりますよ。
ホットミルクティー+シナモンでチャイ風に
もっとも手軽なのは飲み物にシナモンを足すことですね。
シナモンと合わせる飲み物はコーヒーのイメージが強いかもしれませんが、ぜひホットのミルクティーに合わせてみてください。
発酵食品である紅茶には、身体を温めてくれる効果があります。
これは身体を冷やすコーヒーや緑茶とは真逆の作用です。
ミルクを入れればカフェインの吸収も穏やかで、胃腸にも優しくなります。
>>カフェインは太る!?カフェインでダイエットできるのは嘘?
そしてシナモンを入れると甘い香りとちょっとのスパイシーさがプラスされて、インド名物チャイのような気分が味わえますよ。
本家のチャイはたっぷりのお砂糖が含まれていますが、ダイエット目的のシナモンミルクティーではなるべくお砂糖を控えましょう。
慣れればシナモンの甘い香りとミルクの微かな甘さだけでも、充分に満足できます。
シナモンオイルで気分転換
食べたり飲んだりだけでなく、アロマテラピーでもシナモンは大活躍します。
精製されたシナモンのエッセンシャルオイルには、こんな効果があるんです。
・免疫の強化
・抗菌・抗酸化作用
・疲労やストレスの緩和
・脳の活性化
仕事から帰ってきた時や何だか疲れて風邪をひきそうな時、頭をスッキリさせて頑張りたい時などは気分転換にシナモンオイルを使ってみましょう。
なおシナモンオイルは刺激が強いため、皮膚に直接触れる使い方は避けてください。
アロマデュフューザーなどで香りを拡散させて楽しむのがおすすめです。
注意点
嬉しい効果がたくさんあるシナモンですが、摂取するにあたって注意すべき点もいくつかあります。
シナモンの1日の摂取量
シナモンに含まれる成分のひとつであるクマリンは、大量に摂取することにより肝機能障害を起こす恐れがあります。
1日の摂取量は多くても3グラム(パウダーなら小さじ1杯半)程度までにしてください。
心配な人は、クマリンの含有量の少ないセイロンニッケイを原料にしたシナモンを使いましょう。
カシアとの区別で解説しましたように、原料の産地表記に「スリランカ産」と書かれたものがセイロンニッケイです。
妊娠中の人はシナモンはNG
シナモンの香り成分のひとつシナムアルデヒドには子宮を収縮させる作用があり、胎児に悪影響を及ぼす恐れがあります。
流産や早産の原因となることも考えられますから、妊娠中にシナモンを常食するのは避けてください。
まとめ
シナモンから得られるたくさんの効能を知り、今までとはイメージがかなり変わったのではないでしょうか?
香りが苦手という人でも、風味の強い食べ物と合わせてちょっとずつ摂るなどの工夫をすれば大丈夫です。
摂取さえすれば生薬としての効果は期待できますよ。
シナモンの香りが大好きという人は、ぜひ香りの効果も含めてシナモンを丸ごと活用してみてくださいね。